渡辺浩弐:視界全体を覆い全身の動きで操作するVRシステムのゲームは確かにすごく楽しいのですが、毎日何時間もやるものにはならないと思います。ちょっと疲れてしまいますよね。
さらに触覚や嗅覚の刺激までが必要なのでしょうか。そういう進化は望まれることですが、用途としてはエンターテインメントではなく、仕事や学習のためのものになっていくと予想します。
ゲームって現実を志向するものではなくて、現実から楽しいことだけを切り出してきた世界を、脳みその「キモチイイ中枢」だけで体験したいものです。その「切り出し」作業がゲームクリエーターの才能に委ねられるわけですが、そこでインターフェイスについても正しい限定が必要なのかもしれません。
かつてファミコンのヒットによって普及した「モニター画面に向かって、コントローラーを両手で持って操作する」形式は千年単位の安定感があったということ、今更ですがちゃんと認めて、再評価した方が良いと思います。僕はその先にまだマーケットの拡大はあり得ると思っているんです。