田口善弘@中央大学:まず、大前提として「水道の蛇口に来るまでの水の温度は外気温より高い」「下水道の中は外気温より十分温度が高い」とします。水を流し続けた場合、この前提が正しければ、水が外気温に接して冷却されるのは水道の蛇口から下水溝に流れるまでの時間の間なのでその間に水温が0度にならなければいいわけです。冷却される速度は水が流れ落ちるときの形状の表面積(∵そこが外気と接している部分なので)に比例し、冷やされる水が零度に達するまでの時間は外気にさらされている水の体積に比例します。流す水の量が多いほど水の形状は太くなり、外気にさらされている部分の体積も増えます。一般に体積が大きいほど面積/体積の比は大きくなり、零度になりにくくなります。なので「少量の水」といってもあまりにケチりすぎるとこの比が十分ではなく、水を流し続けても凍ってしまうことになります。外気温が低いほどより多くの水を流し、太い水流を作らないといけなくなります。 どっかの時点で「水を流し続けることで凍結を防ぐ」は経済的にペイしなくなり別の方法(水道管の防寒を強化するなど)が採用されることになると思います。(Read more)
元祐 昌廣 (Masahiro Motosuke):水道管の中の水が凍結すると膨張して水道管が破損するなど大変な被害が起きますね.これを防ぐために少量の水を流し続ける,という対策が取られることが多いです.これは,水道管内の凍結しやすい箇所(=冷えやすい場所)を水が凍る前に通り過ぎれば凍結を避けることができる,ということになります.どの程度の水を流すのが良いのか,というのは目安はなく,外がどのくらい寒いのか,水道管周りの断熱はどの程度しっかりしているか,に依存します. 過冷却水は既に凝固点より低温になっている水で,静置された容器の中では過冷却状態を維持できますが,質問者が気にされているように,水道管のような色々と振動を受けやすい環境ではすぐに核形成が起きて凍結してしまうかと思います.ですので,水を流し始めるタイミングは,まだそこまで冷え切っていない早めにしておく必要があります.(Read more)