yosuke_furukawa:脳科学的な話と論文で紹介されてる学術的な批判の双方があります。 まず人工甘味料は少ない量で甘みを出せます。結果甘いと感じるのですが、血糖値が上がるわけではありません。血糖値が上がるとインスリンが分泌され、それにより栄養が体全体にいきわたりますが、栄養が過剰に余ると脂肪として蓄積されます。人工甘味料は血糖値は上がらないので、これにより太りにくい仕組みを持っています。 しかし、血糖値が上がらないと脳からするとお腹がすいたと感じる状況なのは変わらないわけです。血糖値が下がったままだとよりたくさん食べようとして結果太ってしまうという話です。 他の学術的な批判としては、そもそもリスクがあるとのことです、これは人工甘味料を吸収する際に分解される成分の中に人間に有害なものもあり、それが増えると発がん性があるとのことでした。詳しくは知らないので論文を読んでもらえるといいかもしれません。

彩恵りり🧚‍♀️科学ライター✨おしごと募集中:これは5月15日にWHOから発表されたガイドラインに基づいている質問かな？ まず、これは「人工甘味料」に対するものではなく、「非糖質系甘味料 (non-sugar sweeteners / NSS)」に対するガイドラインであることに注意が必要だよ。何が違うって、NSSには天然も人工もないからだよ。ガイドラインのプレスリリースでも、天然または人工の甘味料と書かれており、代表的な例としてステビアとその誘導体が明記されているからね。つまり今回のガイドラインは、天然人工を問わず、栄養にならない全ての甘味料に対するものってことになるよ。もしこのガイドラインを人工甘味料に対するものだと説明しているモノがあったら、それは誤訳ってことになるよ。 このガイドラインは、過去に行われた膨大なNSSに対する研究内容をメタ分析した結果に基づくものだよ。簡単に言えば、様々な研究を分析し、内容を再構築したものってことだね。メタ分析の結果としては、3ヶ月以内という短期間においては体重減少の効果が観られたものの、6ヶ月以上の長期間においては体脂肪減少といった利益が観られなかった、ということを言っているんだよね。それどころか、2型糖尿病、心血管疾患、成人の死亡率といったリスクは若干上昇する、という結果すらあるよ。ただ、この悪影響に関するところもNSSとの因果関係は不明で、しかもわずかな上昇に留まっているので、確定的とも言えないよ。なのでWHOの表現としては、「NSSの使用は、成人または小児の体脂肪減少に長期的な利益をもたらさないので、体重減少や非感染性疾患 (がんや糖尿病など) のリスクを下げるのを狙って使うべきではない」という推奨事項をガイドラインの主題としてまとめているんだよね。ちなみに、メタ分析では既に糖尿病になっている人のデータは外されているので、ガイドラインは "既存の糖尿病患者を除くすべての人" に対して適用される、としているよ。 では、なんでこんな結果になったんだろうね？前提として、メタ分析という手法上、強い因果関係をこの研究から主張することはできないよ。また、ガイドラインの前提として断っている通り、個々のNSSの安全性や毒性の評価をしているわけじゃないので、個々のNSSについて推奨摂取量を具体的に変更する内容ではないよ。更に、歯磨き粉や医薬品のように、食品ではないものに含まれる甘味料も適用外だよ。あくまでもガイドラインが言及しているのは、食品に含まれるグルコース (ブドウ糖) 、果糖 (フルクトース) 、糖アルコール、その他低カロリー糖といった、少しでもカロリーを持つ糖を、ほぼカロリーを持たないNSSに置き換えた場合に長期的な利益がないことが分かっただけで、NSS自体が何か悪さをしているかは不明、という内容だよ。 こうして前提を書いてみると、あまり詳しくない人でもガイドラインが言わんとしていることはおよそ見当がつくよ。カロリーを持つ栄養素は何も糖類に限ったものではないし、糖類は必ずしも甘い食品だけに含まれているわけではないよ。いくら甘い食品をNSSで味付けし、甘味料の分だけ糖類やカロリーの量を減らしたとしても、他の部分は全く何も変わらないからね。食事全体で甘く感じるための甘味料の割合はそこまで多いものじゃないのだから、甘味料の全てをNSSに置き換えたとしても、カロリー摂取量の減少は少ししかない。ってことは、結果的に体重減少も短期間であり、長期的には何も変わらない、となるのはそこまで不思議でもないよね。要するにWHOのガイドラインは「健康になるための食事内容の検討は、NSS以外にも見直す項目が無数にあるので、NSSだけに頼らないで」っていう、かなり当たり前なことしか言ってないんだよね。どちらかといえば、NSSで体重を減らそうみたいな、そういう "売り方" はダメだよっていう向けのガイドラインだと私は捉えてるよ。