ふり返ってみますと、あまり「趣味」として意識したものは少ないかもしれません。というのは、自分は基本的に「おもしろそうな活動」をあれこれやっており、それはときに収入になる仕事に結びついたり、また結びつかなかったりするからです。

子供の頃はいわゆる電子工作が趣味のようなものでした。これは理科教師であった父の影響が大きいと思います。父のところには電子工作のための道具や細かいパーツがあったからです。環境が大きいということですね。中学校は音楽の活動をしていました。これはたまたまそういう部活動があったからです。

高校時代は受験勉強でそれなりに忙しかったので、あまり表だって「趣味」と言えるようなものはありませんでした。でも自分としては趣味がなくてさびしいとか、趣味を見つけなくちゃと思ったことは一度もありませんでした。高校時代は勉強するのが好きでしたし、受験勉強やテスト勉強も(いまでいえば)ゲームのレベル上げみたいな感覚で楽しんでいましたから。

大学以降になると、コンピュータのプログラミングにたいへんはまりました。自分が思い描く「こういうふうに書いたらこんなふうに動くんじゃないか」みたいなものを確かめていく活動は非常に楽しかったですね。その延長上でコンピュータのプログラムを書くことを仕事にしました。

現在も特に趣味というほどのことはなく、そのつどおもしろそうなことにはまっては、自分なりの成果物を作っていくことを楽しんでいます。そして作ったものに関しては、SNSなりWebサイトなりで公開していく。そうすると、同じことに関心を持つ人とのつながりが増えるからです。

私のいまのメインの仕事は『数学ガール』という数学読み物を書くことで、十数年継続していますが、これも発端はWebで読み物を書いていたことでした。そのときにはまったく仕事にするつもりはなくて、おもしろそうだからやってみた。やってみた結果をWebで公開したら評判が良かったので、どんどん継続していった。やがて本にするという仕事に結びついた……とそんな経緯です。

自分の趣味遍歴としてはそんな感じです。簡単にいうと、次のようになるでしょうか。

  • 最初からこれを趣味にしようと考えたものはほとんどなく、たまたま自分の身の回りにあった「おもしろいこと」に飛び込み、おもしろいと思い続けられるあいだ続けている。

  • 趣味と仕事というものをあまり分けて考えていない。自分にとっておもしろい活動でできた成果物がたまたま仕事に結びついていくことになる。もちろん、結びついていかないことも多数ある。

  • 趣味かどうかに関わらず、おもしろそうな活動は自分なりに一生懸命、ていねいに行う。そして成果物はどんどんWebなどで公開していく。

いうまでもないことですが、このような活動の仕方をしていると、やっている作業はいつも楽しいものが多くなります。自分としておもしろそうだと思う活動が発端になっているからです。

以上、何かの参考になればうれしいです。

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関連する読み物にリンクします。

◆その都度、形にしておく --- 翻訳や個人出版という「趣味」の話です。

https://mm.hyuki.net/n/n398b4f441929

◆現代に通じるからこそ古典 --- 古今和歌集の現代語訳という「趣味」の話です。

https://mm.hyuki.net/n/n23bbc13b6b84

◆古典文学のどこが好き?

https://mm.hyuki.net/n/n2ad8df064160

2022/09/06Posted
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