ローマがカルタゴに塩を撒いて塩害を引き起こし、永続的に農業生産を不可能にする軍事作戦を行ったというのは後世の創作だと聞いたことがあります。古代、塩は高級品なので、湯水の如く塩を使うのは困難だったと言えばその通りだと思いました。

しかし、塩の値段が安くなった現代の戦争であれば、この作戦を行う国があっても不思議ではないように感じます。侵略側であれば、占領する土地の価値をなくしてしまうのでメリットがありませんが、防衛側にとっては「ただ自国を防衛するだけで良い」という条件においては、相手国の農業生産力を毀損するために塩を撒く作戦はそれなりに有効性があるように思えます。例えば、今のウクライナがロシアの小麦畑にドローンなどを用いて大規模に塩を撒く作戦を行えば、永続的にロシアの小麦生産力を毀損することができ、かつ爆弾も核物質も化学兵器も使わないため、人を殺傷することもありません。

それにもかかわらず、「塩を撒いて農業を壊滅させる軍事作戦が行われた戦争」というのは、寡聞にして聞きません。それは何故でしょう?

単純に行うのが大変すぎるのでしょうか。

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