私もこの問題に対してよく考えます。私自身はキリスト教徒ではありませんが、研究を続ければ続けるほど、自然の法則の美しさを目の当たりにして「この美しい法則は根源的にはどこから来たのだろう?」と感嘆することがあります。科学はどこまでいっても本当に根源的な質問には答えられないのではないか。そこに何か大きな力を感じることは不自然ではないと思います。
科学史の村上陽一郎先生の著作で詳しく議論されていますが、近代科学はもともと自然を(聖書とは別の)「神によって書かれた書物」とみなし、自然を分析することで神のメッセージを読み取る営みでした。そういう意味でも宗教と科学はお互い矛盾するものではないと感じています。
また科学の探究には限界があります。「なぜ人は生きるのか?」「なぜ人は苦しむのか?」「世界はどのように作られたのか?」。多くの人々がこれらの疑問に向き合った集大成がキリスト教や仏教なのだと感じることもあります。その意味でも科学と宗教は必ずしも矛盾するものではないと思っています。
2 years ago