菊澤研宗:米国に社費留学が盛んだったのは、80年代から90年代のバブル期だっと思います。多くの企業が、横並び一線で米国の有名大学にMBAコースに社員を派遣していました。
当時、日本企業は米国の有名大学のビジネススクールに多額の寄付をしており、数名の社員が入学できる枠をもっていたと思います。とにかく、日本企業は横並びが好きで、その目的は他の企業が行っているので・・・という感じだったと思います。そうしないと、良い学生を採用することはできないからです。
このような目的が不明な形で、日本企業は社員を海外留学をさせていたので、社員がせっかく
勉強してきて会社に戻ってきても、企業側はそのような社員の使い方や扱い方がわからず、留学前と同じ形で社員を扱うことになります。そうすると、留学帰りの社員は何のための留学だったのかわからなくなります。こうして、留学後、転職する人が多くなったと思います。
このように、留学後に会社を退職する人が多くなると、企業側も退職する場合には、留学費を返却するようにというルールを設定したりして、徐々に留学制度の意義はぼやけっていったように思います。