川原繁人:アメリカで教鞭をとっていた時の印象ですが、アメリカの学生は学費を払っている分、しっかり貪欲に学ぼうとしている学生が多かったです。私の教えていた大学では、自分で奨学金をとって自分の責任で学費を払っている学生が多く、そういう学生は、ちゃんと授業を教えないとちゃんと抗議します。授業評価のシステムもしっかり整備していて、そういった学生の声が教員の評価に直接結びつくため、研究だけでなく、授業もしっかり気合いが入ります(日本の大学の授業で手を抜いているわけではありませんが、プレッシャーの違いはありますね)。また授業の外でも積極的に経験をつもうという意識がつよく、私のラボでは常時5人くらいの学生が働いてくれていました。彼ら彼女らは「単位をとって卒業しよう」という意識よりも「学んで将来に生かそう」という意識の方が強かったように感じます。彼ら彼女らは卒業して10年になりますが、未だにたまにメールが来たりします。