川原繁人:たくさんありますよ。
ー 学生と話していて、自分の説明で言語学や音声学の面白さを伝えられたとき。
ー 友人とデータをにらめっこしながらあれやこれや議論しているとき。
ー 実験をしていて、予想通りの結果が出たとき。
ー 実験をしていて、思わぬ結果が出たけど、そこから新たな可能性が浮かびあがってきたとき。
ー 学会で発表しているとき。とくに議論の時間。
ー 論文が学術雑誌に受理されて、出版された時(最近は、「出版ありきの研究」というのは危険だなぁと考えているのですが、それでも嬉しいっちゃ嬉しいですね)。
ー 編集者さんに原稿を褒められたとき(褒め殺しであっても)。
ー 一般向けの本を書いて、その本を言語学を知らない人に喜んでもらえたとき。
なんかでしょうね。
あとは、私は「自分の研究は世の中の役に立っていない」と長らく悩んでいたので、言語学・音声学を知らない人に、自分の専門知識が役に立つと証言してもらえるときもとても嬉しいです。最近、歌手やアナウンサーの方々など言葉のプロの人たちとのコラボに力を入れているのは、これが理由だと思います。
上にあげた瞬間に順番をつけることはできませんし、どれかひとつを選ぶことも難しいですね。