小川仁志:「必要」という概念には、誰にとって、あるいは何にとってなのかという問いが付きまといます。それによって答えは変わってくるでしょう。人間にとってなのか、人間以外の生物にとってなのか、地球自体にとってなのか、地球外生命体にとってなのか、宇宙全体にとってなのか、はたまた神にとってなのかというふうに。まず人間にとっては、宇宙に限らず人間が存在し続けることが大前提なので、必要といえるでしょう。人間以外の生物にとっては、人間がいないと存在できない生物を除き、必要ないといえるでしょう。地球自体にとっては、必要ないといえるでしょう。地球外生命体にとっては、人間から利益を得る可能性のあるものを除き、必要ないといえるでしょう。ちなみに、今のところ人間を必要としている地球外生命体は見つかっていません。宇宙全体にとっては、人間がいるおかげで何か宇宙の原理にいい影響を与えでもしない限り、必要とはいえないでしょう。神にとっては、必要でしょう。なぜなら、神とは人間が自らの存在を保障するために創造した概念にほかなりませんから。