Tomyuki Yokota:私自身も少しだけ有機ELについて勉強していたことがございます。有機ELでディスプレイなどに用いられている発光素子は、一般的にはOrganic Light
Emitting Diode
(OLED)と呼ばれています。OLEDは、発光層に有機半導体を用いており、従来のLEDなどと比較して低温プロセスであったり、溶液プロセスで作製できる問特徴を持っております。そのため、プラスチックフィルム基板上に作製することもできるために、曲がるディスプレイなどへの応用などが期待されてきました。
このOLEDは、その他にもいくつか特徴を持っています。まず初めに、素子自体が光る自発光デバイスという点があげられます。液晶テレビなどでは、バックプレーンと呼ばれる光源にフィルタなどを組み合わせることで色を表現しています。そのため、どうしても薄いテレビを作るのが難しいという課題がありました。一方で、OLEDは自発光デバイスですので、薄膜化などが容易に可能です。さらに、視野角が広い、色がきれい、きれいな黒の表現が可能であるという多くの利点がありました。
一方で、デバイス自体の安定性であったり、コスト面が課題となっており、実用化にはなかなか至っていませんでした。しかし、この点に関しましても、材料や技術の発展と共に次第に克服されてきております。その結果、シェアの拡大につながったと考えられます。