R.E.C@画集発売中🦋:ご質問ありがとうございます! 絵をいつも見て頂いてありがとうございます。夜の景色や暗い場所の絵は必然的に暗い影の部分が多くなってくるのであまり意識せずに描いてしまうとただの真っ黒な見栄えの悪い絵になりがちです。そのため自分は常に大きく分けて2点「影の中に様々な色合いを持たせる」と「暗い中に局所的に明るい光を描き込む」を意識しています。 まず1点目「影の中に様々な色合いを持たせる」ですが、たとえば物の影を暗く描く際に明度の低い黒色に近い色を置きますが、ここで敢えて彩度の高い青色や水色をその影色に混ぜたりします。暗い影色と寒色系は非常に相性が良く、影色が青色を混ぜることで重くなり過ぎずかつ色がつくので情報量も増えて絵の密度が増し見栄えが良くなるという効果を期待することが出来ます。また、時々は寒色だけではなく暖色のワインレッドのような強い赤色を混ぜることもあります。これは多くの場合明るい部分が寒色系の場合は全体の色の調和をとるために影の色の中にあえて赤系の色をまぜることで絵全体的に寒色と暖色が混ざり合い、複雑で魅力的な色味を絵にもたせることできるようになるからです。また、例えば森などを描く際、群れた木の葉の影の部分に少し明度が低く彩度が高い赤色をまぜることで刺し色のような役割を果たし、単調になりがちな緑一辺倒の自然の絵に色彩的豊かさをもたらすことが期待できます。 次に2点目の「暗い中に局所的に明るい光を描き込む」についてですが、基本的に自分の場合夜景や暗い場所の中に美しい光を描くことで周りが暗いからその光が活きてきてより美しく見える、という演出方法をよく使います。この際とても大事なのは光を描いて明るくする場所は限定的にする、という点です。本来光があるから影ができ、影があるから光が美しく見えるという原理原則があるので、それに乗っ取り影の部分つまり暗い部分が多いからこそ強く光が照射されて明るくなっている部分がより際立って美しく見える、ということをとても意識して画面の明暗構成をします。分かりやすいのは薄暗い聖堂の中などで画面の四隅の方は暗いが絵の中心部分が明るくなっていて光が上から注がれているというものです。これは四隅を暗くすることで絵を締めつつ真ん中の明るさをコントラスト的に強調するので明るい部分つまり見せたい物が描かれている部分がより輝いて見えて綺麗に見える、といった具合になります。 ご参考になりましたら幸いです!(Read more)