高木浩一:バチバチは摩擦による帯電(例えば歩いた時など)で、1万ボルト程度に電圧が上がって、他の電圧(多くの場合は0ボルト)のものに数mmまで近づくことで絶縁破壊(単位長さあたりの電圧が大きくなって電子などが加速されて空気分子にぶつかって、イオンと電子に分解して、ねずみ算式に増えていく現象)が起こり、その衝撃感じたり、光を見たりする現象です。冬場は温度が下がって、空気中の水分が減って、摩擦で生じた電荷が逃げられなくなるため、バチバチが起こりやすくなります。水分は、水素と酸素でできていて、前者は電気のプラス、後者はマイナスの性質があるため、これが近づくと、電荷は静電気の力(クーロン力と呼んでいます)で捕集されて、絶縁物の表面から引きはがされます。このため、例えば室内に濡れたタオルを干したり、加湿器で湿度を上げると、静電気は水分子に引っ張られて、絶縁物表面から取り去られて、バチバチしなくなります。人体にたまった電荷も、水分があれば取り去られます。静電気は、電圧こそ1万ボルトと高いのですが、電気の量は小さいので、霧吹きなどの水分で十分取り去ることができると思います。