小川仁志:法律などとは違って、哲学的には自分の気持ちや捉え方を変えることしかできません。そもそも他人を変えることは困難です。しかも相談者の場合にはたくさんの敵がいるということですので、その全員を変えるのは不可能でしょう。だとするなら、自分を変えるしかないわけです。でも、自分の何が悪くて、どういった理由で敵を作っているのかわからないというケースがほとんどです。自分は一切悪くないことだってあります。いじめによくあるように。いじめる側にはなんらかの理由というか言いがかりがあるのでしょうが、それは必ずしもいじめられる側の責めに帰すべき事由にはなりません。したがって、哲学的に解決するなら、気にしないというのが一番です。実際そういう方向でアドバイスする哲学はたくさんあります。悪口は雑音だと思えばいいですし、嫌がらせも突然の雨が降ったくらいに思っておくのがいいでしょう。実際私もそうやって気にしないようにし始めたら、本当に心が軽くなりました。もちろん、悪口も嫌がらせも犯罪に至る程度になれば話は別です。警察や弁護士に相談すべきです。そうでない限りは、相手にしないのが最も手っ取り早く、かつ最強の対応だと思います。