高橋賢:わが国の場合について,完全な回答ではありませんがお話しします。
わが国の企業会計基準委員会(ASBJ)のウェブサイトによれば,企業会計の基準等が設定されるまでには,以下のような流れがあります。
①審議テーマの設定②ASBJが公表する基準等の区分③専門委員会の設置④企業会計基準委員会での議論⑤公開草案等の公表⑥適用後レビュー⑦適正手続監督委員会への報告
ASBJは2019年11月に公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議より,金融商品取引法上の電子記録移転権利又は資金決済法上の暗号資産に該当するICOトークンの発行・保有等に係る会計上の取扱いの検討を求める提言がなされ,これらに関連する論点について2019年12月より検討を行い,その議論の論点を整理した「資金決済法上の暗号資産又は金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するICOトークンの発行及び保有に係る会計処理に関する論点の整理」の公表が2022年3月15日に行われました。コメントの募集は2022年6月8日までということでした。上記の流れからすると,①から⑤までのプロセスに2年半ほどかかっているということになります。