川原繁人:かなりのガチ質問ですね。flappingに関しては専門家ではないので、「これだ！」と自信を持っては書けないのですが、まずflappingはgradientでphoneticな現象で、categoricalでphonologicalな現象ではないかもしれない、とは思っております。[t]や[d]を縮めれば調音的にflapになります。またflappingが起こったあとも、[d]の前の母音が長くなる、という報告がありますので、flapになったあとも[d]は[d]なのでは……と思っております。 これらを踏まえますと、ストレスがある母音に後続する環境というのは、もともと子音が短めに発音されます。[t]や[d]だけなく他の子音も同じような影響を受けます。ですから、post-tonic syllableで起こる音声的な現象なのでは……と個人的には感じていますが、おそらくいろいろな意見があることも承知しています。