彩恵りり🧚♀️科学ライター✨おしごと募集中:これは少し考えて見ると、多分質問者さんも自力で回答に辿り着けそうな感じだよ。 確かに、光速に近づけば近づくほど、質量は無限大に増えていくので、決して光速になれない、とは色んなものの本に書かれているよね。では光速にピッタリ同じなら無限大なのに、なぜ光子など、光速で運動するものは質量がゼロなのか?というところだよね。 これは前提をひっくり返すと分かるよ。つまり、質量がゼロならば光速で動ける、と考えるわけ。ちょっとでも質量があれば、光速に近づくに従い、質量が無限大に増えていくのならば、最初からゼロならばどう頑張っても増えようがないよね。実際、光速度で運動する光子は質量がゼロであることが確認されているよ。もちろん、ゼロという値を直接測れるわけじゃないので、仮に光子に質量があった場合に予測される電磁力学の理論と実測のズレを厳密に測定し、質量が1.91×10⁻⁶³kg未満であることを確認しているよ。 一方で質量がゼロである粒子の速度は、必ず通過する場所の光速度に固定されるという制約があるよ。透明な物質を透過する時には真空中の光速度よりも減速するけれども、あくまでその通過している場所での光速度に固定されているので、加速も減速もできないよ。なので光速度というのは、質量を持つ物質の速度の制約であるだけでなく、質量ゼロの物質の速度の制約でもある、という二重の性質を持っていることになるね。 ちなみに、質量ゼロな粒子は他にグルーオンと重力子が予言されているので、原則としてこれらも光速度のみで運動するよ。ただし、重力子は未発見どころか実在するかどうかも分かってないよ。またグルーオンは相当に特殊で、理論上は質量ゼロと言っても、色の閉じ込めと呼ばれる作用によって実質的には質量を獲得しているようなふるまいをしているよ。本来、質量ゼロな粒子によって伝わる力の到達距離は無限大であるべきなのに、グルーオンが媒介する強い相互作用が原子核内部に収まっている理由の1つは、グルーオンが事実上は質量を持つ粒子であるかのようにふるまうからだよ。(더 읽기)