Hayato Shimabukuro(島袋隼士):私は数学ではなく、大学で物理学や天文学を専攻しました。その上で、「研究者志望なら大学で学ぶ内容を先取りするべきか?」という問いについて考えたいのですが、私は、どうしても勉強をしたい気持ちが抑えられないなら、大学の内容を勉強しても良いと思いますが、少なくとも「先取りするべきかどうか?」と他人の意見を求める様でしたら、止めた方が良いと思います。
高校で学ぶ内容はカリキュラムが決まっており、多くの人にとっては受験という壁が最後に控えており、カリキュラム内容を先取り学習して、受験に備えるというのは一つの手だとは思います。しかし、大学で学ぶ内容には範囲というのがありません。むしろ、学んでも学んでもまだ、学ぶことが尽きないというのが学問の面白さと思います。そのため、高校までの勉強のスタイルとはガラッと変わります。もちろん、専門課程で最低限学んで欲しい内容ありますので、そういう意味では授業のカリキュラムは決まっています。しかし、あくまでそれは授業のカリキュラムであり、学問のカリキュラムではありません。そのため、先取りという考え方は大学以降ではあまり意味をなさないと思います。
また、研究者志望とのことですが、研究者に求められるのは、先取りして学習することではなく、「課題を見つける」「先行研究を調べる」「自分のアイデアを実行する」なので、むしろ、先取り学習ではなく、普段学ぶ内容に関して、より深く考える習慣を高校生の頃から意識すると良いと思います。