イナダシュンスケ:会社員時代ある同僚とカレーの話をしていて、僕が「某イチのおいしさがどうしてもわからない」と言ったら、その彼曰く 「あれ? まさかとは思うけどポーク食ってない?」 言われてみたらポークしか食ってないや、答えると、 「だめだよ〜、ビーフじゃなきゃ」 と。 早速ビーフカレーを食べに行きました。しかし、確かにポークよりおいしい気もしたのですが、やはりピンと来ませんでした。そのことを彼に報告すると、 「あれ? まさかとは思うけど醤油かけなかったとか?」 世の中には当たり前のようにカレーに醤油をかける人がいるんだ、とびっくりしつつ、これはもう乗り掛かった船なので、再びビーフカレーを食べに行きました。 ところが卓上に醤油はありませんでした。そのことを半ば抗議するように彼に伝えると、 「店員さんに頼まなきゃダメだよ。ちゃんと銀の小袋に入った醤油持ってきてくれるから」 さすがにこれ以上続けてビーフカレーを食べる気にはなれなかったのでその時はあきらめ、結局今に至るまで、僕はカレーに醤油をかけて食べたことはありません。 カレーにかけるとしたらウスターソースです。ただしその場合、基本的には生卵がセットとなります。生卵で薄まる分をソースで補うイメージです。 東京で初めてカレー屋さんのメニューに「ゆで卵」があるのを発見した時、同行者に 「あの『ゆで卵』って何のためにあるの?」 と素で尋ねてしまいました。カレーのトッピングに決まってるだろ、と即答されましたが、どういうことなのか全くイメージがわかず混乱したのを覚えています。ちなみに今ではゆで卵トッピングも大好きです。 自分がなぜソースなのか、醤油をかけようと思わないのか、冷静に考えるとよくわかりません。強いて言うなら「洋食は洋食らしく食べたい」ということになりますかね。そう言えば、ハンバーグに和風ソースの組み合わせもちょっと許せません。ステーキに和風ソースは、他に選択肢がないので渋々受け入れています。 しかし、そう言えばもうずいぶん長いことカレーに生卵もソースもかけていない、と気が付きました。あれはご飯に対してカレーが足らない時の救済措置でもあります。最近はカレーが足らなくなるカレーなどまず存在しないし、カレーの味自体も濃いので、ライスマネージメントに苦慮することもなく、ソースは自然と登場機会を失った、ということなのでしょう。 久々にやってみたくなりました。米1合炊いてボンカレー1袋なら、ソースと生卵が加わる余地もあるかな、と計算しています。(もっと読む)